僕のお仕事 index
1.光輝さん  1.2.3.4.
 

 

背中を這い上がる痺れが、身体を反らせる。
小刻みに出し入れしながら、入れる時だけ、ちょっと強めにしてだんだん中に入ってくる。
さっきの唾液のおかげで、その動きがとても滑らかでよけい生々しい。
「ぁ…ぁ……」
光輝さんの片腕にしがみつく様にして、声を殺す。
その腕を振り解くと、反対に僕の顎を捉えて、上に向かせた。
「我慢するなって。良いならそう言えって、言ったろ?」
言いながら、ずぷりと、中指全部を僕の中に押し込む。
「んはぁ……っ」
上を向かされている僕は、遮れずに高い声を出す。うらはらに、中で蠢く中指に酷く嫌悪した。
……気持ち悪い。
異物感と排泄感を同時に押し付けられているようで、感覚をもてあます。
それとは別物のぞくぞく感が背中を這い上がる。その感覚に煽られて、つい声が漏れる。
「だんだん良くなるよ。」
耳元で背後から光輝さんが囁いた。よく響くバリトンが、首筋をくすぐった。
「ん、また閉まった。」
光輝さんが嬉そうにまた言う。
「やっぱり、俺に反応してるじゃん」
自覚のない僕はやはり首を横に振る。話しかけられたって、答えられない。
「指、増やすよ。力を抜いて…」
顎を仰け反らせて、僕は身体を振るわせた。更なる圧迫感。
出入りするたびに、入り口が擦れて背中を痺れさせる。
「……んぁ…」
涙が滲む。僕の前のモノは情けないほどビンビンに反り返っている。
恥ずかしい露が止めどなく垂れて、後ろを濡らす。
「3本に増やすよ。ゆっくり入れるから、切れそうなほど痛かったら、言えよ」
また後ろから優しく囁くと、一旦全部引き抜いて、僕の露で指を満遍なく濡らす。
僕の下の涎はそれでも有り余るほど垂れている。
「力、抜いて……」
3本をそこにあてがうのが解った。ゆっくり押し入ってくる。
「………はぁ……」
ゆるい出し入れを繰り返しながら、僕を押し開く。
擦れるたびに、僕の背中は震え、進入の圧迫感は更に強い。
「あぁ……」
息を漏らしながら、光輝さんの腕にしがみ付く。
「名前…名前を呼んで。…俺の名を…」
甘い声が囁かれた。
僕は頭の中で、何かが弾けた。
「ぁ…こうき……さん……」
吐息とともに、吐き出された声。それは自分でも驚くほど、甘い声だった。
その瞬間から、僕の中の異物感、違和感が、全て背中を這うぞくぞく感に持っていかれた。
”快感”。
認めたくなかったそれを、僕は受け入れた。圧迫感でさえ、悦びに変わる。
「…こうきさん……光輝さんっ」
もはや激しく出入りする指の動きに、身体ごと揺さぶられるようにして、全てを受け入れた。
入るたび、出るたび、内壁の刺激と出入り口の擦れがたまらなく身体を痺れさせる。
時々中でばらばらに動かされると、突き上げる刺激で何が何だかわからなくなる。
「あぁ、…光輝さん……」
喘ぎがもう止まらない。涙で霞んだ目で光輝さんの目を探す。
「ぁぁ…僕……おかしくなっちゃうよ……」
「…気持ちいいか?」
僕のうなじに顔を埋めるようにして、囁いてくる。その声も上ずっている気がした。
僕は、一生懸命首を縦に振った。
こくこくと頷く僕に、背後から優しくほお擦りをしてくる。
「…あっ!」
その時、僕の身体は更に跳ね上がった。違う疼きが走ったのだ。
蠢いていた指が、挿入を繰り返しながら、ある一点を触った。
「やぁ!?」
刺激が強すぎる。ダイレクトに前を刺激する。
「巽のいいとこ、見っけ」
嬉しそうに、首筋にキスしてきた。
そこ一点に集中して挿入を繰り返す。僕の頭はおかしくなりそうだった。気持ち良過ぎて。
「あぁ、光輝さん…、光輝さん…」
快感をただただ貪る。身体が勝手に、逃げを打つ。危険すぎて。
「ぼく…いっちゃいそう……」
前がぎちぎちに反応している。
最早触ってもいないのに、もっと直接な快感を脳に感じる。
 
「だ・め・え―――――っ!!!」
奇声が部屋中に響いた。
僕はその奇声より、いきなり光輝さんの動きが止まったことに戸惑った。
頭は朦朧として、耳元の甘い声以外は、届きにくくなっていた。
高まっていた快感がぷつりと途切れて、荒い呼吸と期待感だけが、取り残された。
「……っはぁ…」
指はまだ中に入ったままだ。僕は焦れて、思わず力を入れた。
「ん…?」
肉壁の圧迫を受けた指が、反応してちょっと動く。
「ぁ…」
それすらも貪る。
僕は、滾ってしまった自分の欲望を、吐き出したくて焦れていた。
「…こうき……さん」
無意識に懇願する。行き場のなくなってしまった下半身の滾りが、快感を求めて疼く。
光輝さんは、ため息を一つついて、ゆっくりと僕から指を抜いた。
「……ぁ?」
そんな擦れさえ、ぞくりと背中を這う。
開かされていた其処は、指を離すまいとするように、最後まできゅっと締め付けて、きつく閉じた。
僕は目もぎゅっと瞑った。
ふと、置き去りにでもされた様な、切なさがよぎりそうになったからだ。
「……たつみ」
ゆっくり僕を呼ぶ声。
僕の身体を反転させて、自分に向かせる。
光輝さんは、正面から覗き込んで、もう一度僕を呼んだ。
「巽……、ごめんな、中途半端で。」
僕は掠れた視界でコクンと頷く。
「……お前、かわいいなあ。気持ちよくなってくれて、嬉しいよ」
本当に嬉しそうに、言ってくれる。僕は多分、ちょっと微笑み返した。
光輝さんはぎゅっと僕を抱きしめると、身体を振るわせた。
「まってな。今、もっと、もっと、気持ちよくさせてやるから。」
ソファーに僕を横たえさせると、光輝さんはそこから降りて、社長へ向き直った。
「はい、解し終わりました」
にっこり笑う光輝さんに、女社長は苦々しく一言。
「はい、じゃないでしょ!このばか者!!」
べちっと頭をはたく。
「未遂だったから、よかったものの…。あと5秒でいっちゃってたわよ!?」
怒り収まらぬという感じで、べちべちと叩く。
「うわっ、ごめんて、社長!」
たまりかねて、光輝さんは避けながら苦笑する。
「いや、やばかった。俺、止まんなかったもん、ほんと」
言いながら、僕をちらりと見る。
「社長、ほら、せっかくいい具合に仕上がってんだから、早くしないと……」
「あら、そうね」
女社長は、はたと動きを止めて、つぶやいた。
すでにその瞳には怪しい光が宿っている。
「まずはこれかな~。基本中の基本」
カバンから、数珠状のパールを引っ張り出した。大小様々なパールが連なっている。
「ん、入り口感度計るなら、それだよな」
光輝さんも舌なめずりする。
 
「………」
僕は霞む目で二人を眺めながら、萎えていく快感と共に高ぶっていた気持ちも、落ち込んでいくのを感じていた。身体が冷えていく。
ソファーは皮張りで、ベッドのシーツ等とは違うから、剥き出しの足をうっかり動かすとひやりとする。
「ごめんな、放っちまって。お待たせ」
にっこり笑って、光輝さんがまた僕の前に腰を下ろした。
顔を覗き込みながら、お尻を触ってくる。柔らかく、擦るように揉みしだく。
「ん……」
ちょっと拗ねていた僕の心は、光輝さんの温かい掌で、すぐ解された。
「……今度は、何するの?」
手にしているパールが不可解で聞いてみた。
「巽の感度を、調べるのさ」
僕の両膝に手を当てて、さっきの様に脚を開かせた。
僕は今更、あらためて恥ずかしくなった。ちょっと抵抗すると、優しく蕾に触れてくる。
「ぁ……ん」
ぴくんと身体が反応する。
「ここにね、これを一個一個埋め込んでいくわけ。」
「……それ、全部?」
優に20cmはある。数にすると幾つだろう。
「そう、殆ど全部。それで、あとで一気に引き抜く。」
僕はぞくりとした。痛そうな気がしたから。
「力、抜いて……。どのサイズが好きか、なんか感じたら教えろな」
パールにローションをたっぷり付けると、その人差し指でちゅぷちゅぷと蕾を軽く揉んで刺激する。
そっと、一個めのパールをあてがう。
ひやりとした。
「……ん」
普通サイズのパールが、押し広げて入ってくる。
舌や指と違って、無機質なそれは、改めて違和感を感じさせた。
つぷんと中に入って、収まった。
何かが挟まっている異物感は、かなり嫌だった。
「ん…これ……いやかも」
僕は光輝さんに、訴えた。
「はじめはね…、みんなそう。」
光輝さんは優しく微笑みかえしてくれる。
「でも、最後まで入れるころには、違う感想も出るかもよ。」
一粒入ったままのそこの周りを軽く押すように円を描いて揉む。
中のパールが動いて、内壁に変な刺激を生み出した。
繋がって外に垂れているパールも蕾の際を擽る。
「……やぁ…」
たまらず、つま先に力が入る。
「…2個め、入れるよ。今度は、ちょっと大きい…」
2個目をゆっくり、押し付けてくる。閉じてしまっている蕾をあらためて押し開く。
「ぅ……ん…」
やはり、無機質は嫌だと思う。無意識に押し出そうとしていたらしい。
あてがってくる圧力が強くなった。
「力、抜いて…。パールの動きだけを、感じて…」
くいくいと、パールを押し付けながら、囁く。
つぷり、と2個目が入った。
「…ぁっ」
 
                                           

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